「この世界の片隅に」は、こうの史代さんの原作。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したコミックの映画化です。第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常をやさしいタッチの絵柄で生き生きと非常に丁寧に描いています。
読む前には、当時の人たちは毎日みんなが悲惨な顔して鬱々と暮らしていたのではないかという固定観念みたいなものがなんとなくあったのですが、それが見事に打ち砕かれました。よく考えてみると当時のたいへんな日々の暮らしの中にも、どんなときにも、小さな喜びや悲しみ、笑顔や泣き顔がたくさんたくさんあったはずなのです。そこに「戦争」という状況が入ってくることで平凡な「日常」に大きな影響を与えてくる。爆撃などの具体的な怖さ以上にそこが戦争の持つ怖さだと思いました。でも戦争が続いても終わっても「日常」は続いてゆく。そこが生きてゆくことの強さだと感じました。(でも基本はクスリと笑えるほのぼの漫画、最後ハッピーエンドですのでご安心を。)
というわけで原作本が超おすすめ、マンガならではの表現の工夫がすごくて、
とてもこの「良さ」を アニメで表現できるのか?と事前には少し不安でもあったのですが
伝え聞く前評判を聞くとネガティブ意見が怖いほどないくらい「素晴らしい」「今年一番」という状態で、映画もかなり良い作品になっているようです。
しかし、いい作品でも宣伝力がいかんせん弱い。。。
ぜひお近くで上映されているのであれば見に行ってください。
我が子が生まれ、育つ中で「日々の暮らし」のうれしさや大切さを一番痛感している子育て世代の方にこそ響くのではないかと思います。
そして気に入ったらお友達にも紹介してくださいね。
今年は「シン・ゴジラ」や「君の名は。」などヒットが続く邦画ですが
大本命と言われているのがこの作品です。
映画「この世界の片隅に」今日から公開スタートです。
1月初旬から山梨でも上映決定!やったー!!!
原作本ならめーぷるにありますので滞在中にぜひどうぞ。